ヴァイオリンが弾けるようになるには、○○する!①

おおくぼヴァイオリン教室(調布市若葉町、仙川)のゆうか先生です!

小学3年生のAくんは、年中からヴァイオリンを始め
器用な手先と、譜読みも早いのでどんどん弾ける曲を増やしています。

順風満帆だったAくんでしたが、ポジション移動が多く出てくる
ドヴォルザークの『ユーモレスク』の練習では
なかなか思うように出来ずモヤモヤしていました。

ヴァイオリンでは、左手を動かすポジション移動をすることによって弾ける音域や表現の幅が増えます。
ポジション移動では1の指を起点にして移動するように練習するのですが、
ユーモレスクでは音の跳躍が多く、サードポジションに移動してすぐに
3の指の音を出すといった動きが多くなります。

そのため、起点の音となる1の指をより正確に移動させなければいけません。

練習の順序として、移動する際に起点となる1の指を鳴らして
正確に音を押さえているか確認してから弾くということをします。
最初は根気のいる練習なので、ゆっくり耳を澄ませながら行います。

Aくんはこの練習の際に、自分の感覚だけでやみくもに速く弾いていました。
隣で私がゆっくり弾いて見せているときも自分の指ばかり見て、

なんで出来ないんだろう」とイライラしている様子でした。

そこで私は「自分の指ばかり見ていてもできるようにならないよ、
先生が弾いている時どこを見たら出来るようになると思う?」と問いました。

Aくんは黙り込んでしまったので、

「先生の指をよく見て、どんな風に動かせているか観察して真似してごらん」と伝えました。

「先生弾くよ」と言うと、Aくんは私の左手をじっと見ていました。
「今度はAくんが弾いてみよう」と言うと、
私が弾いたのと同じゆっくりとした速さで一つひとつ自分の音をよく聴き、
私の弾いた真似をして弾いていました。

「よくできたね!これからも出来ないときはまず、上手だなと思う人の真似をするといいよ」と言うと、
「わかった」と納得した表情で帰っていきました。

次のレッスンで、前回練習した部分を確認するとポジション移動がスムーズにでき、
正確に音を押さえることができていました。

「すごくよくなったね!がんばったね!」と言うと、嬉しそうなAくん。
早速次なる課題へ移りました。

次もまたポジション移動を伴ったメロディでした。
「こうやって弾くよ」と私が言い弾き始めると、隣から熱い視線が。
Aくんが全身を私の方に向けて私の弾いている姿をじっと見つめていました

前回私が「先生の弾いているところを観察して真似してね」
と言ったことを覚えており、早速実践していました。
私はその姿を見てAくんの学習能力の高さを感じました。

私が弾き終わり「Aくん弾いてみよう」と言うと、
私が弾いたのを完璧に真似して弾きました。
一度で上手く出来て、私はとても驚きました。

「Aくん、先週先生が言ったことよく覚えていたね。
よく見て真似したからすぐに出来ちゃったね!」と伝えました。

真似することの効果が顕著に表れ、Aくんも俄然やる気になり益々練習に取り組むようになりました

以前はレッスンの途中で座り込んでしまうことが多かったですが、
真似することの大切さを知り、私が言うことや弾くところを見逃さないようにと
終わりの時間いっぱいまで高い集中力を保つようになりました

そもそも、なぜ私自身が真似することの大切さを感じていたのかと思いだしてみると、

高校の音楽の先生がよく「真似ることの大切さ」と説いていたからです。

次回に続く…

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